今回、見学するに至ったのは、音響ハウスさんにミューズ卒業生が就職しており「是非来てください!」とありがたいお話しを頂いたからです!嬉しい!
そして見学するにあたって、ただ社内を見て回るだけじゃちょっと物足りない!ということで、卒業生に無理なお願いをして2時間以上じっくりと体験させていただき、現役エンジニアの方をはじめ、新人アシスタントの方、技術部総括部長までお付き合い頂き本当に有意義な時間となりました。
まずは音響ハウス、1stでご挨拶とスタジオの説明。
ここでは様々なスタジオの特性、反射板、個別ブースの使い方などをしっかりお聞きし、スタジオについての質問などを受け付けて頂きました。学生はお話をメモメモ。
続いてはコントロールルームへ
ここではコンソールSSLの説明、普段どんな使い方をしているか、どんな動きをしているかなど日常の業務についてのお話。
今回は1年生、2年生を午前、午後に分けて行い、お話しの内容も1年生は基本的なこと、2年生は就職を含めた実践的な内容でお話し頂きました。
特に2年生の回では、授業でMIXした音をスピーカーから流し、MIXについてのアドバイスを頂きました。
またアシスタントエンジニアの方に学生時代を振り返っていただき、学生時代に同じような経験をどう乗り越えたかなどのアドバイスもいただけました。
質問が多く、予定に無かったことなどもありましたが、時間をオーバーしても熱心にお話ししていただき、本当に有り難かったです!
その中でも特に面白かったのが、音響ハウスの1st、2stのスタジオの「鳴りと響き」を忠実に再現するPlug-in Software「ONKIO Acoustics」です。
このプラグインはすごーーーく簡単に言うと、音の反射成分だけを抽出したリバーブです。
リバーブって反射音や残響音なんですが、このプラグインは音響ハウスのスタジオで録音したような反射音、残響感を付けることができます。
スタジオ録音で大切なのは「自然な鳴りと響き」をどう録音するのかです。
録音するときにオンマイク(一番音をしっかり録音するマイク)とオフマイク(わざと遠くに配置し、空間の音を録音する)を立てて、立体的に音を録音します。
それを混ぜることで表面的な音だけでなく、奥行きがある立体的な音を表現することができるのです。
スタジオは様々な大きさ、設計など一つとして同じ空間はありません。つまり録音スタジオによって音に変化が生じます。
音響ハウスでは録音時に、アーティストや楽器、人数などでスタジオの反射板を増やしたり外したりして、空間音を調整しています。
このONKIO Acousticsは、その全てが再現できます。
どこにマイクを置くか、反射板はどの程度入れるのか、マイクの角度はどうするかなどプラグイン上で調整することができるのです。
このプラグインを上手に使うことで一段階上のMIXをすることが可能になると思いました!
詳しくはこちら「サウンド&レコーディングマガジン「音響ハウスの響きがプラグインに!ONKIO Acoustics〜開発者コメント&井上鑑レビュー」
続いて向かったのは立体音響のお部屋!
立体音響といえばDolby Atmosや360 Reality Audioが有名ですが、いままさにこの技術は進化途中で様々な試みが行われています。
音響ハウスでは9.1.4chを有するスピーカーが配置されていました。
(これが360 Reality Audioになるともっとスピーカー数は増えます)
ぐるりと周りに9個のスピーカー、ウーハーが1個、天井に4個のスピーカー
(360 Reality Audioの場合は下にスピーカーが設置されており、それも使用します)
これで立体音響化された音源を聴くと音が廻る!
すごくエンターテイメント性を感じました。
実際に音響ハウスさんでAtoms化した音源などを聴かせてもらい、UIなども見せていただきましたが、これ本当にすごい。
通常のMIXでは行わないような音の配置をするので、MIXしてる人めっちゃすごいです。
エンジニアの方から好きな曲を聴いていいよ!と言ってもらい、学生が遠慮なく好きな曲を聴いていました!
その後、アシスタントの方、エンジニアの方含め質問時間を取っていただき、それぞれが聞きたいことをズバズバ聞いていました。
今回は時間をオーバーしつつも快く対応してくださり、学生にとって本当に有意義な時間となりました。
長い時間お付き合いくださいました、チーフレコーディングエンジニア中内様、アシスタントエンジニアの久松様、山内様、技術部総括部長太田様、制作技術センター長田中様、サブマネージャー佐藤様
本当にありがとうございました!