
カラッと晴れて風が気持ちいい五月晴れや秋晴れの季節は、ハワイの気候によく似ています。
さまざまな文化がミックスされたハワイは、音楽も実に多彩。
そこで、ハワイのFMラジオでよく流れている曲やレストランでよく聴く定番のハワイアンソングや代表的なアーティストをご紹介します。
爽やかでヒーリング効果もあるハワイ音楽
ハワイ語曲や英語曲、伝統音楽からポップスまで、ハワイアンミュージックの良曲で心穏やかにリラックスしましょう。
『アロハ・オエ』ナニ
Aloha ‘Oe – Nani 2012年
ハワイ王国最後にして唯一の女王リリウオカラニによって作られた、美しいハワイ語曲。
「アロハ・オエ」とは「さようなら愛するひと また会える日まで」という意味で、アメリカ併合時の心情を歌ったとも言われています。
ハワイを代表する曲として多くの人たちによって歌い継がれ、世界中で広く親しまれています。
『ブルー・ハワイ』エルヴィス・プレスリー
Blue Hawaii – Elvis Presley 1961年
恋人と過ごすハワイの月夜を讃えるロマンティックな英語バラード曲。
ロックンロールの王様による同名映画のサントラ(名曲『好きにならずにいられない』など収録)が、ビルボード20週連続1位を記録しました。
ラムベースのカクテルの名前にもなっていて、考案されたヒルトン・ハワイアンビレッジのシグネチャーになっています。
ハワイを愛したエルビスの曲の数々は、ディズニー映画『リロ&スティッチ』でも、ふんだんに使われています。
『クウ・レイ・アワプヒ』ハパ
Ku’u Lei Awapuhi – HAPA 1992年
香り高いジンジャーの花に、愛する人への思いを託した切ない歌詞と美しくメロディー。ハワイのバラードとして、フラ愛好家から愛されています。
ハパはNY出身の白人とハワイのロコによる2人ユニット。ルーツミュージックとロックを融合させたコンテンポラリーで、空前の大ヒットとなったデビューアルバムに収録されました。
『虹の彼方に』イズラエル〈イズ〉カマカヴィヴォオレ
Over The Raimbow – Israel “IZ” Kamakawiwoʻole 1993年
映画『オズの魔法使い』の主題歌を、ウクレレで弾き語りカバーした曲。
お相撲さんのようなビッグサイズととても優しい美声で、1997年に死してなお愛されている伝説のシンガーです。
『Hawai’i ’78』などが知られています。
『カワイプナヘレ』ケアリイ・レイシェル
Kawaipunahele – Keali’i Reichel 1998年
スラックキーギターにのせて、おだやかな歌声とコーラスが心地いいハワイ語の定番フラソング。
ナ・ホク・ハノハノ・アワードで主要部門5冠に輝き、ハワイアン・ミュージックの歴史を塗り替えた代表作からの同名シングルで、MVではNYでの路上ライブでの演奏としなやかな女性フラが見れます。
マウイ島出身で、この人抜きに現代ハワイアン・ミュージックとフラを語れないほど、現代ハワイ文化への貢献度が高いです。
『E O Mai』(1997年)や『涙そうそう』のハワイ語カバー『Ka Nohona Pili Kai』(2003年)などヒット曲多数です。
『モロカイ・マイ・スウィートホーム』ピュアハート
Molokai My Sweet Home – Pure Heart 1998年
遠くNYで故郷モロカイ島を恋しく想う英語バラード曲。
サーフ・ロックの伝説的バンドKALAPANAのリードボーカルMalani Bilyeuのヒット曲をカバーしています。
このピュアハート版は、ジェイク・シマブクロのウクレレとロパカ(名手オギー・コロンのご子息でモロカイ島出身)のバードコールが、よりハワイを感じさせる仕上がりです。
『アイ・ミス・ユー・マイ・ハワイ』ナ・レオ
I Miss You My Hawaii – Na Leo Pilimehana 1999年
女性3人のコーラスグループによる、英語バラード曲。
旅行者にとってもハワイが恋しくなる気持ちがかき立てられ、美しいハーモニーが心に沁みます。
ハワイのグラミー賞「ナホク・アワード」で2000年のソングオブザイヤーを獲得しました。
『パイナップル・プリンセス』のMVではキュートな子供フラが見れます。
『クワイエット・ビレッジ』マーティン・デニー
Quiet Village – Martin Denny 1959年
エキゾチックサウンドの巨匠ピアニスト。
白人の目から見た南国をイメージした音楽で、一世を風靡しました。
コンピュータがない時代に、オギー・コロンのバードコールなど、多彩な音色で楽しませてくれます。
『ファイヤー・クラッカー』を、YMOがシンセサイザーでカバーしたことで知られています(1978年)。
『ダイアモンド・ヘッド』ザ・ベンチャーズ
Diamond Head – The Ventures 1963年
サーフロックの元祖による、インストゥルメンタル曲。
テケテケサウンドはエレキギターブームを日本に巻き起こしました。
『パイプライン』や『ハワイ・ファイブ・オー』などのヒット曲多数で、ボーカルなし楽器演奏のかっこよさを教えてくれます。
『アロハ・エ・コモ・マイ』ジャンプ・ファイブ
Aloha, E Komo Mai – Jump5 2002年
ハワイを舞台にしたディズニーあにめ映画『リロ・アンド・スティッチ』の、ハワイ語と英語が混じった元気なテーマ曲。
ハワイ語で「こんにちわ ようこそ」の意味で、「楽しく暮らそうよ みんな一緒に」と歌っています。
波乗りのシーンで使われる『ハワイアン・ローラーコースター・ライド』も人気曲です。
『アンダー・ザ・シー』ジェイク・シマブクロ
Under The Sea – Jake Shimabukuro 2012年
ウクレレの名手による、ディズニー映画『リトル・マーメイド』の代表曲を軽快なカバー。
オアフ島ホノルル出身の日系5世で、実話をもとにした映画『フラガール』(2006年)のサウンドトラックを手掛けるなど、日本でもおなじみです。
『エ・ナ・キニ』カイラニ・ペア
E Na Kini – Kalani Pe’a 2016年
キレのいいメロディと高揚感があるハワイ語曲で、MVでは力強い男性フラを見ることができます。
タイトルは「さあみんな」という意味で、立ち上がれとハワイの人々を鼓舞する内容だそうです。
ハワイ島ヒロ出身で、言語障害を乗り越えハワイ語とフラの普及に力を注いでいるアーティストです。
アルバム『Kuini』は2025年のグラミー賞で四度目の受賞となりました。
『オンリー・ジャジャ・ノウズ』カナカ・フィア
Only Jah Jah Knows – Kanaka Fyah 2024年
レゲエのリズムをハワイ風に解釈した「ジャワイアン」。
まったりした裏打ちのリズムがハワイのビーチにもぴったりです。
Makua Rothmanの『Lovely』なども人気です。
ハワイ出身の著名なアーティスト
『ザ・レイジー・ソング』ブルーノ・マーズ
The Lazy Song – Bruno Mars 2011年
オアフ島で生まれ、芸能一家のメンバーとして幼少期からキャリアをスタートした、2010年代以降を代表する世界的スターです。
この曲はデビューアルバムからシングルカットされた、怠け者讃歌のアイランド・レゲエ。
『Just The Way You Are』(2010年)や『APT.』(2024年)など、ラブソングからダンスミュージックまで大ヒット曲多数です。
『ベター・トゥゲザー』ジャック・ジョンソン
Better Together – Jack Johnson 2005年
オアフ島ノースショア出身で、プロサーファーから音楽家に転向。
大自然を感じさせるやさしいアコースティックサウンドを発表し、21世紀型サーフ・ミュージックの第一人者となりました。
映画『おさるのジョージ』のために書き下ろされた『Upside Down』(2006年)は、アニメキャラたちと共演しているMVが可愛いです。
『マイ・ウェイ』デフ・テック
My Way – Def Tech 2005年
ハワイ育ちのShenと東京出身のMicroのユニット。
前向きなラップ歌詞で、彼ら最大のヒット曲。
発表当時はヨコハマタイヤのCMタイアップされ人気に火がつき、2020年代には「THE FIRST TAKE」で再注目を浴びています。
『変わらぬ想い』グレン・メデイロス
Nothing’s Gonna Change My Love For You – Glenn Medeiros 1987年
当時では珍しい全米で成功したハワイ出身のポップ歌手。
80年代を代表するバラードで、ジョージ・ベンソンのカバー曲です。
のちに『She Ain’t Worth It』(1990年)でボビー・ブラウンと共演して、再びヒットを飛ばしました。
関連プレイリスト
ハワイの心地いい曲
ざっくりハワイとは

アメリカ合衆国の50番目の州。太平洋の真ん中に位置し、東からビッグアイランド、マウイ、ラナイ、モロカイ、オアフ、カウアイ、ニイハウなどの島々からなる。日本でハワイというと、オアフ島を指すことが多い。
赤道付近で熱帯性気候の割に、貿易風が吹いているためカラッとしていて蚊が少ない。雨が多く日差しが強いため虹も多く、レインボーアイランドの別名も。世界各地からの移民が多く、日系人社会が根付いている。
♯オアフ島 OAHU ホノルル国際空港、ワイキキビーチ、ダイヤモンドヘッド、ディズニーリゾートなどがあるハワイの都会。
♯ハワイ島 HAWAII 最も新しい島。活火山キラウエアがあり、コーヒー栽培が盛ん。最も大きいので、ビッグアイランドとも
♯マウイ島 MAUI かつて捕鯨漁でラハイナが栄えた。黒い火山石が砕けたブラックサンドビーチが美しい。2023年の大火事から復興途中
♯カウアイ島 KAUAI 手つかずでダイナミックな地形の宝庫。映画『ジュラシックパーク』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』、ドラマ『ロスト』の撮影地として有名
♯モロカイ島 MOLOKAI 昔ながらの大自然と暮らしが残る。30年前は信号もなかった
関連用語
ハワイアンミュージック用語
#ハワイ伝統音楽 – フラダンスと共に伝わる、ハワイ先住民(ロコ)によるハワイ語の曲。近年ではケアリイ・レイシェルが人気
#フラダンス – ハワイの民族舞踊。手や体の動き一つ一つに海や雨など意味を表す
#ハワイアンチャント – 海や山など自然の神々に捧げるハワイ語の詠唱
#コンテンポラリーハワイアン – ハワイのルーツミュージックを取り入れたロックやポップス。ハパが先駆的存在
#エキゾチックサウンド – 白人から見た南国のイメージを表現した音楽。マーティン・デニー『エキゾチカ』(1957年)が代表作
#サーフミュージック – 1960年代前半に流行したノリのいいインスト曲で、サーフ・ロックとも。ザ・ベンチャーズやザ・ビーチボーイズが有名。21世紀では、アコギの緩めなサウンドのジャック・ジョンソンが中心的
#ジャワイアン – ハワイのレゲエ 。ジャマイカxハワイアンの造語で、アイランドレゲエとも。 ボブ・マーレー系の王道レゲエのまったりリズムが定着している
#ウクレレ – ハワイ音楽にかかせない、4弦の小型弦楽器。ポロンポロンとした音。ジェイク・シマブクロがおなじみ
#スティールギター – 水平に置いたギターを専用のバーを用いて弾く。キュイーンという音が特徴で、ハワイアンやカントリーで好んで使われる
#スラックキーギター – オープンチューニングでキーを緩めたギター奏法。ハワイ独特のメロウで優しい音色
#ナ・ホク・ハノハノ・アワード – ハワイのグラミー賞と言われるハワイ音楽の祭典。「卓抜した星」といいう意味
関連リンク
ナ・ホク・ハノハノ・アワード
Nā Hōkū Hanohano Awards
ハワイ・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ(HARA)が主催する、ハワイ音楽界で最大の祭典。アロハ・スピリットを持つ音楽を重視して、最優秀ハワイアンミュージックアルバム賞など約30部門で賞を設けています。
関連リンク
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