3大ロンドン・パンクバンドとは?
Sex Pistols(セックス・ピストルズ)、The Clash(クラッシュ)、The Damned(ダムド)の3バンドを指します。
パンク・ロックは、1970年代半ばから後半にかけて生まれました。当時の音楽シーンや政治・社会に対する反抗が根底にあり、まずニューヨーク・パンクが誕生し、わずかに遅れてイギリスのロンドンで盛り上がりました。
ロンドン・パンクは、シンプルかつ攻撃的なサウンドと、安全ピンや破れた服、逆立てた髪などのファッションが特徴で、後の若者文化に現在に至るまで多大な影響を与えました。
Sex Pistols
セックス・ピストルズ
1976年に『Anarchy in the U.K.』をリリース。
歌詞に「 I Am An Antichrist I Am An Anarchist(俺はアンチ・キリストだ 俺はアナーキストだ)」という過激さや、当時としては斬新奇抜なファッションが衝撃を与えます。
また、1976年にリリースした『God Save The Queen(ゴッド・セイブ・ザ・クイーン』はイギリス国歌と曲名が同じなのですが、女王を罵倒するような内容で「お前に未来なんかない」連呼しています。そのため、英・BBCでは放送禁止措置となってしまいます。1977年のエリザベス女王在位25周年祝典の際には、ゲリラライブを行なってこの曲を演奏し逮捕されました。
彼らを取り上げた映画やドキュメンタリーも複数ありますので、その一部をご紹介します。
ファッションには、後に世界的ブランドへと成長していくVivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)が、プロデュースに関わっていたことで知られています。
The Clash
クラッシュ
1977年、1stアルバム『White Riot(白い暴動)』をリリース。同名の曲は、1976年にイギリスのノッティング・ヒルで起きた、黒人移民が警察と闘った暴動にインスパイアされて作られました。
彼らはNMEのインタビューで自分たちのスタンスを『俺たちは反独裁であり、反暴力であり、反人種種差別であり、創造性に賛同する』と語っています。
3rd アルバムの『LONDON CALLING』ではシンプルなパンク・ロックからレゲエ、R&B、ロカビリーなどにまで大きく音楽性が広がり、現代でもオールタイム・ベストなどの企画では上位にランクインする名盤です。
例えば2003年のRolling Stone誌が行なったグレイテスト・ロック・アルバム500枚では第8位に、『ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年版)では16位に選ばれています。
また、『I Fought The Law』は日本の自動車メーカーのCMでも使われていた時期があるので、それで聴いたことがあるという方もいるかもしれません。
The Damned
ダムド
1976年にイギリスで一番最初に(Sex Pistolsより1ヶ月早く)、シングルをリリースしたバンドです。パンク・バンドとしてはその歌詞にはあまり社会や政治に対する主張などは盛り込まれていないのですが、その音楽のスピード感と激しさは、現代のパンク系の音楽に大きな影響を与えています。ボーカルのデイヴ・ヴァニアンのメイクも特徴的です。
『地獄に落ちた野郎ども』というドキュメンタリー映画もあります。ここでも多くのアーティストがダムドを評価しているコメントが見られます。
もっとUKパンクバンド
この時代のイギリスには、他にもたくさんUKパンクバンドが登場しますが、その一部もご紹介します!
THE JAM
ザ・ジャム
当時まだ18歳のポール・ウェラーを中心に結成され、1977年にデビュー。モッズ・カルチャーとパンクが融合したスタイルで、そのスタイリッシュさと疾走感あふれる音楽で人気を博しました。ポール・ウェラーは後にスタイル・カウンシルを経てソロになり、UKロック界の重鎮になっていきます。
Sham 69
シャム・シックスティーナイン
1977年デビュー。観客と一緒に歌いやすいシンガロング・スタイルが特徴的。その音楽性は、初期のブルーハーツなどにも影響が見られます。
THE STRANGLERS
ザ・ストラングラーズ
メジャー・デビュー後、初期4枚のアルバム『夜獣の館』、『ノー・モア・ヒーローズ』、『ブラック・アンド・ホワイト』、『レイヴン』がUKチャートのトップ5になり、シーンに大きな影響を与えました。
この動画は1990年の作品で、サウンドはいわゆるパンク・ロックではありませんが、「中途半端に仕事をする奴を見て まるで政治家や指導者のようだと思うだろう?」と歌う歌詞は辛辣なままでパンクを感じさせます。
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