大輝君:おまたせ! 続きを教えて!

 

中先生:いいとも。初心者におすすめの順番はね、まずは「リズム」を決めるんだ。この場合、「曲のテンポ」もここで一緒に決めてしまうといいよ。

 

大輝君:ふんふん、「曲のテンポ」もふくめた「リズム」をまず最初に決めるんだね。

 

中先生:そう、ここで決めてしまう「リズム」っていうのは「リズムパターン」っていう、ある程度の長さ一定の形で聴かれる「リズム」のことで、有名なパターンだと「8ビート」や「16ビート」とか名前がついていたり、もう少し限定的に「サンバ」とか「ディスコ」とかそういう特定のジャンルを指すこともあるんだ。そういった「リズムパターン」を最初に決めてしまうとやりやすいんだ。

 

大輝君:へー、ちょっと用語でわからないものもあるけど。

 

中先生:ちょっと専門用語が入っちゃったね、じゃ、少し具体的に説明を加えると。例えば「サンバ」風のリズムが使われている曲としてはAKB48 の「フライングゲット」とか「ディスコ」風のリズムが使われている曲は沢山あるけれど、同じグループでいうと、AKB48 の「恋するフォーチュンクッキー」だね。

 

大輝君:なるほど、わかったよ。ということは、そういったリズムパターンをまずは参考にすればいい、っていうことなんだね。

 

中先生:そうだね、最近ではパソコンのソフトでそういったリズムパターンを鳴らしながら次の作業を進めていくのがやりやすいと思うよ。

 

大輝君:パソコンって便利だね。買おうかな。今度、また相談にのってね。

 

中先生:わかったよ、パソコンのソフトの相談はまた今度ね。じゃ、「リズム」を決めたら、次は「ハーモニー(コード)」を決めていくといいんだ。

 

大輝君:「ハーモニー(コード)」ってもう全然わからないんだけど。

 

中先生:じゃあ、少し簡単に言い換えるね。ここからは「ハーモニー」のことを「コード進行」って言い換えていくね。

 

大輝君:それなら、聞いたことある。でもわからないことは変わらないけど。

 

中先生:コード進行っていうのは、文法みたいなもので、言いたいことを普通に言うときには、こういう進行がいいです。っていう決まりがあるんだ。

 

大輝君:へー、そういった、「いい進行」って何種類くらいあるの?

 

中先生:すっごい沢山あるんだ。

 

大輝君:え?覚えきれないくらい?

 

中先生:そうだね。こういった進行、こういった進行。って覚えていくには数が多すぎるから、公式みたいなものを覚えて、それにコード進行を当てはめて自分で作っていかないといけないんだ。

 

大輝君:うーん、なんか数学みたいだね。難しそう。

 

中先生:そこだけとると、そうだね。でも、最初はコード進行のパターンが沢山のっている本も出てるから、それを買って真似するといいよ。

 

大輝君:え?そんな便利なものがあるの?っていうかそれって真似していいの?

 

中先生:コード進行は真似しても構わないよ。実際そういう本は、「誰々」の「〜」っていう曲の「サビ」の「コード進行」なんていう紹介の仕方をしてたりもするからね。

 

大輝君:真似していいんだったら、最初は真似してみる。

 

中先生:そう、まずは真似から始めることが「作曲家」になる近道だよ。実際さっきの「リズムパターン」も真似だしね。

 

大輝君:あっ、そういえばそうだね。さっきは気づかなかったよ。なるほど。そうしたら、「リズム」が決まって「コード進行」を決めたら、最後は「メロディー」だね。

 

中先生:そう!決めた「リズムパターン」も「コード進行」もやっぱりパソコンのソフトで鳴らしながら、最後の仕上げに「メロディー」を作っていくっていうのが最近の主流だね。

 

大輝君:「メロディー」ってどうすればいいのかな。

 

中先生:「メロディー」はね、初心者には、よく適当にやってごらん。とか鼻歌で「ふふ〜ん」とやってごらん。っていう感じで言われることが多いと思うんだよね。

 

大輝君:うん、僕も見たことがある。

 

中先生:それは、嘘ではないし、悪いことではないので、実際に試してやってみるといいと思う。で、それでできちゃう人は、俗に言う「センス」のある人で、それでいい「メロディー」が作れちゃう人もいるんだ。

 

大輝君:僕はどうなのかな?わからないからやってみる。

 

中先生:そうだね、まずはやってみるといいと思う。どうなるか、試してみよう。

 

中先生:試してみて、全然ダメだ、わからない。ってなったときには、「まったくメロディーが作れない、っていう人のための講座」というのを開いているので、そうなったときには、ぜひ参加してみてね。

 

大輝君:わかった、ありがとう。もし、全然作れなかったときは参加してみる。今日はありがとう。

 

中先生:どういたしまして。

 

 

中 祐人先生

東京芸術大学作曲科卒業。作曲を近藤譲、南弘明に師事、在学時より作曲家のアシスタントとして仕事をスタートする。作風はクラシック、ジャズ、ロック、ポップスに至るまで幅広く、活動形態も舞台音楽、映像音楽、コンサート、TV、CM音楽の作曲、編曲やスコアの作成等、ジャンルを問わずそれぞれ非常に高く評価されている。

平成14年より現在まで、音楽専門学校ミューズ音楽院CA専攻・マスターコース講師に就任。柳沢 英樹、齋藤 祐輔、土屋俊輔、Ancient-Beach、浅野実希、石谷光章 、千葉直樹をはじめとする、数多くのデビュー実績にも貢献している。