一番大切なことは「音楽が好き」であること
もし音楽で生計を立てたいと考えているのなら
「音楽が好きで、それを勉強したい、でも自信がない」という学生さんに時々出会います。今の自分の知識や技術力程度でやっていけるのだろうか? という不安はとても理解できるものです。しかし「大丈夫ですよ」と言い切れます。なぜなら、音楽を学び、表現していく上で一番大切なことが「音楽が好き」であることだからです。それがあるのなら、全く問題ないのです。
しかし、もし音楽で生計を立てたいと考えているのなら、それにはそれなりの鍛錬の蓄積が必要になってくることは事実です。 なので「すぐ食えるようになれるよ」とか、ある水準に達していないのにできていると評価するような、「ウソ」を私たちは言いません。
何となく当たり前のように染み付いてしまっている
「何年間のうちにクリアしなければいけない」
ところで、ひとつ考えてみてほしいことがあります。
ミューズのような専門学校には、高校を卒業してすぐに入学してくる人が多いイメージがあるでしょう。実際は専攻によっては社会人だった人や大卒の人も結構いるのですが、高校卒業まで一般的に6年・3年・3年と進学してきた学生さんを見ていると、その多くは「決まった年数で何らかのハードルをクリアする」ことが何となく当たり前のように染み付いてしまっていると感じることがあります。実際は、何かを身に付けたり、何かを達成したりすることは、それぞれの個性や成長曲線によって違っていて、早く伸びる人もいれば(その分早く頭打ちになることもあります)、スロースターターの人もいます。それはどちらが良いというものではなく、人の成長のカーブは、人それぞれにあったペースに合っていることが本来最も良いのです。急いで、無理やり何年間のうちにクリアしなければいけない、というものではないのです。
音楽シーンを見ても、最近ではバーチャルに活動できる環境が増えてきています。そうすると、年齢や性別も関係なく世の中に発表することができます。そして実際にそこでの成功例もたくさん現れてきています。もう「若くなければ不利」「〇〇歳までにどうにかしないといけない」ということもなく、何歳になっても可能性はなくならないのです。
「本当のことを知ること」
ですから、まず一番大事なことは「音楽が好きなこと」で、それ以外はそれぞれの個性とペースを大切にしながらで学んでいくことで問題ないのです。ただ、そこで大事なことは「本当のことを知ること」です。今はインターネット上にたくさんの情報やレッスン動画などがあります。それらは便利ですし、積極的に活用すべきではありますが、問題なのは「何が本当なのか」ということを判断するには、それなりの知識と技術を蓄積してきた専門家でなければ難しいということです。皆さんは音楽に関しての情報で、何が正しい情報なのか自信を持って言えるでしょうか? それはなかなか難しいことだと思います。
「ウソ」があれば、道を間違ってしまう
今はできなくても、私たちは全く問題だと思いません
正しい情報を得ていれば、すぐには自分で実践できなくても、いずれ正しいところに辿り着くことができます。しかしそこに「ウソ」があれば、道を間違ってしまうでしょう。ミューズでは「ウソ」をいうことはありません。ですので、時には少しだけ厳しく感じてしまうことがあるかもしれません。しかしそれは、今のあなたを否定したり批判したりするための言葉では決してありません。むしろ今のあなたはそのままで良いのです。今はできなくても、私たちは全く問題だと思いません。ただ、いずれ自分にとって正しいところに辿り着くための正しい情報を受け取ってほしいのです。だから「音楽が好き」という気持ちだけを持ってきてくれれば、それで大丈夫なのです。
ミューズモード音楽院
新人開発担当
手島 将彦